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次世代燃料電池システム30年に6万基販売、ホンダが描く水素事業の未来図

次世代燃料電池システム30年に6万基販売、ホンダが描く水素事業の未来図

ホンダがGMと開発するFCシステムの模型

ホンダは、2020年代半ばに燃料電池(FC)システムの外販を始め、水素事業を拡大する。適用範囲を運輸だけでなく、産業セクターにも広げる。まずは23年内に米ゼネラル・モーターズ(GM)と開発している次世代FCシステムを量産する。20年代半ばに社外への販売を年2000基程度から始め、30年に同6万基、30年代後半に同数十万基の販売を目指す。FCシステムの性能を段階的に上げ、脱炭素を背景に高まるFC需要の取り込みを急ぐ。

FCシステムを提供する主な領域は燃料電池車(FCV)、商用車、定置電源、建設機械の四つを想定する。将来は宇宙領域での技術の活用も視野に入れている。30年代後半にはFCシステムの市場で2ケタのシェアを目指す方針だ。

FCシステムは研究開発を進め、コストの削減と耐久性の向上を図る。GMと共同開発する第2世代のFCシステムでは、ホンダが16年に発売したFCVに搭載する従来のシステムに比べ、コストを3分の1、耐久性を2倍まで高める。

30年頃の投入を目指す第3世代では、第2世代に比べてコストを半減、耐久性を2倍まで向上させる。コスト削減はFCに使う白金触媒を減らすとともに、FCスタックの構造を簡素化することなどで実現する。生産プロセスも効率化する。

同社は24年に第2世代のFCシステムを搭載したFCVの生産を米国で始め、日米で売り出す計画。商用車領域では主に長距離トラックでの活用を見込み、いすゞ自動車や中国自動車大手の東風汽車集団と共同研究、実証実験に取り組んでいる。

ホンダの青山真二執行役専務は2日に開いた説明会で、水素事業の拡大に向けて「さまざまな企業と協業していきたい」と話した。

ホンダは1980年代後半にFCの基礎研究を開始し、FCVを中心に研究・開発に取り組んできた。40年には世界で販売する4輪車を電気自動車(EV)、FCVのみにする目標を掲げている。


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日刊工業新聞 2023年02月03日

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