室内照明で“感度10倍”鮮明撮影、パナソニックが開発したハイパースペクトル画像技術の中身
パナソニックホールディングスは、従来比約10倍の感度でハイパースペクトル画像を撮影できる技術を開発し、グループ内で実用化に向けた実証を始めた。550ルクスなど室内の明るさで、肉眼では判別できないわずかな色の違いを識別できる。塗装ムラの検査といった、色で状態を判定する工場の外観検査などへの応用を見据え、早期に事業化したい考え。
ハイパースペクトル画像は、光の波長ごとに取得された画像の中で、波長数がおおむね10以上のもの。同社は複数波長の光を通し画像データを適切に間引く特殊フィルターをイメージセンサー上に搭載した。間引いたデータは独自の画像処理アルゴリズム(計算手順)で復元して、ソフトウエアが色を分ける機能の一部を担う。
従来方法では、プリズムなどで分離したそれぞれの波長を検出するため、波長が多くなるほど波長ごとの光の利用効率が低下する。晴れた日の屋外に匹敵する1万ルクス以上の照度が必要など、利用条件の制約が大きかった。
日刊工業新聞 2023年01月27日