「白物家電」出荷額が過去2番目に高かった理由
日本電機工業会(JEMA)が24日に発表した2022年の白物家電製品国内出荷額は、前年比2%増の2兆5724億円で2年ぶりに増加した。上海でのロックダウン(都市封鎖)解除後、生産や供給の正常化が進んだほか、猛暑も出荷額増を後押しした。さらに原材料や輸送費などの上昇を受けて製品単価も上がったため、1991年(2兆6853億円)に次ぐ過去2番目の出荷額を記録した。
22年の出荷額では、冷蔵庫は同2・1%増の4483億円。401リットル以上の大型に絞ると、同4%増の3325億円となった。「本体幅はそのままで、大型化したコンパクト大容量や鮮度保持機能などが大変好評」(日立グローバルライフソリューションズ)だという。洗濯機は同1・3%増の3983億円。このうち洗濯乾燥機は同4・7%増の2198億円。「新製品では乾燥フィルターを無くし、手入れの手間を軽減したことで好評を得ている」(同)と、付加価値の高い製品の人気が高まっているとみられる。
出荷額増の反面、出荷台数は減少した製品が多い。冷蔵庫では同2・6%減の368万1000台。さらに、洗濯機は同6%減の437万3000台でいずれも3年連続で減少。エアコンも同3・3%減の905万9000台で2年連続の減少となった。
JEMAは今後について「(コロナ禍に伴う)『巣ごもり需要』といったものは期待できないが、買い替えには一定の需要がある」と見通す。
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日刊工業新聞 2023年01月25日