500時間繰り返し使える!電池不要の漏水センサーの仕組み
ミネベアミツミグループのエイブリック(東京都港区、石合信正社長)は、住宅や工場などの雨漏りや漏水を検知して無線で知らせる自家発電式の漏水センサーの新製品を発売した。従来品は繰り返し使うことができなかったが、新製品は水を検知するセンサーリボン内部の金属の形状を変え、リボンの加工方法も工夫。一度ぬれても約500時間は繰り返し使える。漏水が起きやすい場所に設置すればメンテナンスの手間が大幅に省ける。
エイブリックが2019年に発売したバッテリーレス漏水センサーは、漏水を検知するセンサーリボンと、電波を発信する無線タグで構成。2種類の金属を組み込んだセンサーリボンに水滴が触れると生じる微弱な電力を蓄電・昇圧し、無線タグから電波を発信。漏水の発生時間や位置を知らせる。
今回発売した新製品「センサーリボンⅡ=写真」は従来品の特徴や形状を維持しつつ、リボンが水にぬれても約500時間繰り返し使用できるようにした。従来品はリボン内部に糸状にした2種類の金属を組み込んでいるが、センサーリボンⅡはこのうち1種類を板状に変更。金属の体積を増やし、発電時間の長期化につなげた。
金属の形状変更に伴ってリボンの加工方法も変え、金属の板をもう1種類の金属の糸で包むように織った上から編み込んだリボンを重ねることで感度を高めた。漏水の経路が分からず、たびたび水漏れが起きる場所などで使用すればメンテナンスの手間を省ける。
エイブリックは今回の新製品の拡販などで、漏水センサーを手がける事業部の売上高を2―3年後に年30億円に高めたい考え。
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日刊工業新聞 2023年1月19日