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若手向けに身につけるべきスキルを明文化する日さくの課題意識

日さく(さいたま市大宮区、若林直樹社長)は、社員が個人目標を設定し、達成度を人事評価に反映する目標管理制度を4月に導入した。また、若手社員向けにはロードマップ制度を導入し、年次ごとに身につけるべきスキルや取得を目指す資格を明文化し、進むべき道として示す。2021年度から定年年齢を61歳から65歳に引き上げており、社員が長期的にスキルアップできる環境を整備する。

同社は井戸を掘削するさく井工事や、特殊土木工事、地質調査などを手がける。従来から自発的に目標設定をしている部署はあったが、全社で目標を管理する制度はなかった。「評価の指標がわかりづらく、評価者の感覚に左右されたり相対評価に陥ったりしやすかった」と岡村英明総務部長は話す。

20年度から評価者、被評価者向けに研修を行い、社内の理解を深めた。「将来的には人事考課との関連性を強めたい」(岡村部長)とするが、当初は評価材料の一つにとどめる。新技術による生産性向上や現場の事故リスク低減など多様な目標を受け入れる。

同社の社員教育はオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)が中心で、取るべき資格や身につけるスキルも口頭で指示することが多かった。「若手社員は学生時代からキャリア設計を勉強している。それを無視して仕事をさせようとしてもついてこない」(同)との課題意識があった。

そこで新卒入社8年目までの若手を対象とし、10年目までのキャリア形成の指標となるロードマップを作成。資格を持たないと担当できない業務が多いため、入社7年目までに2級土木施工管理技士、9年目までにさく井技能士2級など細かに記載した。これらの資格やスキルを目安とし、上司との面談を通じて1年ごとに個人目標を設定して業務にあたることで将来像を描きやすくした。

日刊工業新聞 2022年12月20日

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