三井金属は２０２３年度中にＳｉＣ（炭化ケイ素）ウエハー用研磨材「ＮＡＮＯＢＩＸ」の生産能力を年間５０トン超の規模に増強する。電気自動車（ＥＶ）などでの採用で高性能ＳｉＣパワーデバイスの需要が増加しており、ＳｉＣウエハー用研磨材のニーズが見込めることから生産能力増強を決めた。設備への投資額や現在の生産能力は非公表。

パワーデバイス用材料のＳｉＣウエハーは非常に硬く、表面を原子レベルまで平滑にするのには優れた研磨技術と長時間の研磨が必要となる。高性能ＳｉＣウエハーの需要の高まりとともに、ＳｉＣウエハーの加工面積の増加に伴い、高効率の研磨プロセスが求められている。

同社が三池機能性粉体工場（福岡県大牟田市）で生産するＮＡＮＯＢＩＸは、ＳｉＣウエハー表面の結晶へのダメージがなく、短時間で極めて平滑に加工できるのが特徴となっている。