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インフルエンザに強い防御作用、京大が循環型iNKT細胞を見つけた

京都大学の崔广為助教と生田宏一教授らは、免疫応答の初期に働き、メラノーマ細胞の肺転移やインフルエンザウイルスの感染に対して強い防御作用を持つ循環型インバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞を発見した。iNKT細胞は免疫応答の初期に働き、自然免疫と獲得免疫の橋渡しとなる自然免疫様Tリンパ球。研究を進めることで、効果の高い免疫細胞療法の開発につながることが期待される。

研究チームはこれまで、インターロイキン―15(IL―15)産生細胞を同定していた。IL―15産生細胞はiNKT細胞の分化などで必要なサイトカインだが、iNKT細胞の機能をどのように制御しているかなどは分かっていなかった。

そこで、白血球の循環量などを推測する並体結合実験をマウスで試みた。その結果、末梢組織において組織常在型iNKT細胞と異なり、血流で全身を移動する循環型iNKT細胞を見いだした。またインフルエンザの気道感染などの実験で、循環型iNKT細胞が抗腫瘍免疫と抗ウイルス感染免疫において重要な役割を果たしているのが分かった。

日刊工業新聞 2022年10月27日

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