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少し触れただけで痛く、それが続く感覚…原因物質を確認

和歌山県立医科大学の谷奥匡助教や川股知之教授らは、たんぱく質「Tmem45b」が関節リウマチやがん患者の“少し触れただけで痛く、それが続く”という感覚の原因物質になることを見いだした。Tmem45bは脳にほとんど発現しないため標的薬の開発に成功すれば、依存などの精神症状を起こすことなく鎮痛できることが期待される。

Tmem45bの存在は知られていたが詳細な機能は従来、明らかにされていなかった。研究チームはマウスを使い、軽微な刺激で持続する強い痛みを伝える神経線維を同定。さらに、それに特異的に発現しているTmem45bを発見した。

またTmem45bを生まれつき持っていないマウスを作製し、これを持つ正常マウスと複数の痛みの条件で比較した。これらから炎症や創傷に伴ってTmem45bが活性化し、軽微な刺激で持続する強い痛みを作り出すと結論づけた。成果は、米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

日刊工業新聞 2022年11月17日

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