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ispaceが月着陸船28日打ち上げ、加入した世界初「月保険」ってなに?

ispace(アイスペース、東京都中央区、袴田武史最高経営責任者〈CEO〉=写真)は17日、自社開発の月着陸船の打ち上げが、28日に決まったと発表した。米スペースのロケットに搭載され米国から月に向かう。月着陸船には、政府系機関や民間企業から募ったロボットなど七つの物資を載せており、月面でそれらの運用能力を検証する実験を行う。

アイスペースが進める民間月面探査プログラム「HAKUTO―R(ハクトアール)」の第1弾。月着陸船には月面探査ローバー(ドバイ政府宇宙機関)、固体電池(日本特殊陶業)、変形型月面ロボット(宇宙航空研究開発機構)などの積荷を搭載。着陸予定は2023年4月で、その後、電力や通信環境を提供して実証する。今回、運用能力を確認し、24年には実際に月面探査を行う第2弾ミッションを実施する計画。

17日に会見した袴田CEOは「強い産業を日本にもたらすきっかけになる」とした。

三井住友海上火災保険と締結

アイスペースは17日、同社が開発し28日打ち上げ予定の月着陸船について、世界初の「月保険」契約を三井住友海上火災保険と結んだと発表した。打ち上げから月面着陸後に地球と着陸船が正常にデータ送受信するまでに発生した損害を補償する。三井住友海上は2019年にアイスペースの民間月面探査プログラムのパートナーに就任。4月に両社が月保険組成に関する覚書を交わし、10月に月保険を開発した。

日刊工業新聞 2022年11月18日

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