トヨタ関連の正味収入保険料1.7倍に、あいおいニッセイの展望
あいおいニッセイ同和損害保険は、トヨタ自動車関連の保険やサービスを手がける「海外トヨタリテール事業」の売上高にあたる正味収入保険料を2026年3月期に、22年3月期比1・7倍となる1600億円超まで引き上げる。4年で約650億円上積みする。契約者の走行データに合わせて保険料を割り引くテレマティクス(自動車向け通信サービス)保険や車のサブスクリプション(定額制)サービス向けの保険をはじめ、成長を見込む商品・サービスを横展開して事業拡大を狙う。
海外トヨタリテール事業は、トヨタ車を購入した個人や法人への「保険販売」が中心のビジネスモデルだったが、トヨタ自動車が目指すモビリティーカンパニーへの進化に合わせて事業を拡大。3階建て戦略を掲げ、従来の保険販売を基盤に電気自動車(EV)、シェアリングサービスなどの「CASE・MaaS」領域、走行データの分析・販売などの「データビジネス」領域を組み合わせて商品・サービスの高度化を図っている。米国やシンガポールでは、データビジネスを手がける会社を設立。各地域で培ったデータ活用のノウハウを市場に合わせて横展開し、正味収入保険料を引き上げる。
同事業は1997年に英国で開始し、21年までにドイツ、米国をはじめ37の国・地域で展開。トヨタ自動車、トヨタファイナンス(名古屋市西区)との協業により海外トヨタ販売店を介して保険商品やサービスを販売してきた。
同事業の22年3月期の正味収入保険料の半分程度を欧州が占める。今後、中国・東南アジアなどの正味収入保険料を伸ばし、欧州以外の国・地域の割合を7割程度まで高めたい考え。
タイでは20年に運転挙動反映型テレマティクス保険を発売し、22年7月末までに約13万台の契約を獲得。中国・東南アジア市場を牽引(けんいん)している。