初日1120本受注、工業刃物手がける中小企業の超硬合金包丁の人気度
福田刃物工業(岐阜県関市、福田克則社長)の包丁「KISEKI:(キセキ)=写真」が注目されている。包丁では珍しい超硬合金製で、テスト販売として出品した「マクアケ」の応援購入サイトでは、今後3カ月間の生産計画に近い1120本を初日に受注。同サイトの包丁の受注総額記録を1日で塗り替えた。
同社はオーダーメードの工業刃物が主力だ。金属粉末を焼結する超硬工具の製法を応用した。包丁専用の製造技術を2年かけて確立した。そのためキセキは薄く高精度で刃先が鋭い。断面形状も独特で切れ味に優れ、細胞を壊さず食物が切れる。おいしく調理ができることを試験機でも確認した。柄は岐阜県産のミズナラ、ヤマザクラ、ブナが選べる。
自社ホームページなどで3月26日に本格発売する。消費税込みの価格は3万4650円。量販店や海外の販路も開拓する予定だ。ペティナイフやまな板、専用砥石(といし)の製品化も計画する。
「初日の受注に驚き、すぐ生産設備を2台発注した」と開発した福田恵介取締役。初年度1億5000万円の売り上げを目指す。
日刊工業新聞 2022年11月04日