最大300m対応、イスラエル社が量産する「半導体式ライダー」の実力
イスラエルのオプシス(Opsys)は機械的な可動部を持たない完全ソリッドステート(半導体)方式のライダー(光検出・測距センサー)を2024年に量産する。最大300メートル先の物体まで検出し、対象エリアを均一かつ高速で走査できる性能を売り物に、日本でも自動運転や先進運転支援システム(ADAS)、ロボタクシー向けに売り込む。
同社は「23年初めまでに設計仕様を固め、24年初頭に東南アジアの協力工場で量産に入る」(アジア太平洋担当のスタブ・シュバルツ事業開発ディレクター)予定だ。
オプシスのマイクロフラッシュライダーは、半導体レーザーの一種である垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)アレイを採用。内部で小型ミラーがスキャンする微小電気機械システム(MEMS)のライダーと異なり、可動部がない。
光フラッシュで毎秒1000フレームの走査を行い、毎秒30フレームの3次元点群データを得られる。車のヘッドライトとの一体化やウインドーへの組み込みも可能という。
すでに中国ではハスコ(HASCO)などティア1(1次部品メーカー)2社と契約済み。韓国では現代自動車から少額出資を受けているほか、ヘッドライトメーカーのSLコーポレーションと供給契約を結んでいる。
日刊工業新聞 2022年10月25日