連合が春闘方針策定へ確認した「基本構想」の中身
連合は、中央執行委員会を開き、2023年春闘方針策定に向けた「基本構想」を確認した。急速な物価高を考慮し、基本給を底上げするベースアップ(ベア)分を「3%程度」とし、定期昇給(定昇)分を含め「5%程度」の賃上げを要求する。要求水準としては「5-6%」を打ち出した1995年以来、28年ぶりの大きさ。12月1日の中央委員会で正式決定する。
2%の定昇を前提に、7年連続で「2%程度」としてきたベアの要求水準を「3%程度」と引き上げた。ベア要求は10年連続となる。
20日会見した連合の芳野友子会長は、23年春闘の基本方針の前提となる物価高の影響について、「中小企業の価格転嫁ができていない」とした上で、「例えば、中小企業庁が企業名を公表するなどきめ細かな取り組みが必要」とし、価格転嫁への一段の対応策が必要との認識を明らかにした。
基本構想案は、20年間実質的に賃金が上がらない日本の現状を踏まえ、経済・社会の活力の原動力「人への投資」を積極的に求める「未来づくり春闘」の深化を打ち出す。その上で、すべての組合が賃上げに取り組むことで、「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組みを加速させる。
日刊工業新聞2022年10月21日