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企業庁が中小企業の電子受発注実現へ開発する「データ連携基盤」の全容

経済産業省・中小企業庁は中小企業の生産性向上に向け、受発注業務のデジタル化を後押しする環境整備に着手する。業界や企業ごとに仕様が異なる電子受発注システムとの取引を一元化できるデータ連携基盤を開発する。中小の受発注業務は電話やFAX、メールが主流で作業効率が悪いのが課題。デジタル化で効率を高め、競争力を底上げする。2022年中の運用開始を目指す。

データ連携基盤の開発に向けた検討会を9月下旬にも発足する。ITベンダーなど有識者で議論し、22年初めにも開発に着手。各業界の受発注業務の現状やデジタル化の進ちょくも調査し、電子受発注システムの普及に向けたロードマップを策定する。データ連携基盤構築で電子受発注システム導入率を23年めどに現状の約2割から約5割に引き上げることを目指す。

同データ連携基盤は業界やサプライチェーン(供給網)の系列ごとに異なる電子受発注システムに接続し、入力データを自動変換する。ユーザーは取引先のシステムを個別に立ち上げずに受発注業務を一元管理できる。受発注データを経営戦略に反映しやすくなる。

企業庁は20年度から中小の受発注データを取引先と電子的に交換する「中小企業共通EDI(電子データ交換)」に準拠した製品・サービスの認証を始めた。ただ取引先が共通EDIを導入しなければ運用できない。新開発するデータ連携基盤は取引先を含めて既存のシステムを変更せずに運用できる。

中小の電子受発注システムの普及率は低い。取引する業界や企業別にシステムを立ち上げる必要があり、手間がかかっていた。

企業間取引のデジタル化をめぐり、23年のインボイス制度開始を見据え、デジタル庁主導で電子請求書の普及に向けた環境整備が進む。企業庁は会計・経理、決済システムとの連携も視野に入れる。

日刊工業新聞2021年9月15日

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