BMWにEV電池供給、エンビジョンが建設する新工場の年産能力
エンビジョンAESC(神奈川県座間市、松本昌一最高経営責任者〈CEO〉)は20日、米国サウスカロライナ州に同国3拠点目となる電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池工場を新設すると発表した。独BMWとは複数年にわたり同工場製電池を供給する契約も結んだ。年産能力は30ギガワット時。投資額や量産開始時期は未定。米国での車載電池の年産能力を3工場合計で現状の数ギガワット時から70ギガワット時に引き上げる。
BMWは2030年までに米国で少なくとも6台のEV生産を計画。AESCは同EV向けに同社従来製品と比べ、エネルギー密度の20%向上や航続距離の30%拡大が可能な円筒形次世代電池を新工場で生産し供給する。
AESCは次世代電池の原材料となるコバルトなど希少資源を、採掘が保証されている鉱山から透明性の高い方法で調達。新工場では再生可能エネルギーを導入し、製造時の二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする。
同社は25年の量産開始に向け、ケンタッキー州でEV用電池の新工場を建設中。年産能力は30ギガワット時で同40ギガワット時への拡張余地を残す。投資額は20億ドル(約3000億円)。独メルセデス・ベンツなどへの供給を予定する。
日刊工業新聞2022年10月21日