ホンダが6100億円投資で韓国LGと電池新工場の狙い
ホンダは29日、韓国の電池大手LGエナジーソリューションと共同で、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池工場を米国に設けると発表した。同日、LGエナジーと合弁会社の設立に合意した。両社は約44億ドル(約6100億円)を投じて2023年初頭に工場の建設を始め、25年中に量産を開始する。年間の生産能力は4000万キロワットの見込みで、全量を北米地域にあるホンダの工場に供給する。EV市場が急速に拡大している北米において、電池を安定調達できる体制を整える狙いだ。
合弁会社は22年中に設立予定で、ホンダが49%、LGエナジーが51%を出資する。工場の建設地は、ホンダの4輪車工場があるオハイオ州を軸に検討する。生産した電池は高級車ブランド「アキュラ」のEVなどに搭載する。
ホンダはリチウムイオン電池の調達において、地産地消を前提に進めている。日本ではエンビジョンAESC(神奈川県座間市)、中国では寧徳時代新能源科技(CATL)から調達する方針だ。
全固体電池の開発も独自に進めており、24年春には実証ラインを設ける。20年代後半には、同電池を採用したモデルを発売予定だ。
北米ではEVシフトが加速している。米カリフォルニア州は、35年までにガソリン車やハイブリッド車(HV)の新車販売を段階的に禁止する方針を示した。
日刊工業新聞2022年8月30日