急増する中古生かす、EV電池再生にエンビジョンAESCが挑む
エンビジョンAESCグループ(神奈川県座間市、松本昌一社長)は、電気自動車(EV)の使用済み電池のリサイクル技術の開発に乗り出す。すでにリチウムイオン電池工場の廃材からコバルトなどの希少金属を抽出して再利用している。脱炭素のうねりでEV電池需要が高まるなか、課題となるリサイクル技術の確立を目指す。
コバルト、ニッケル、リチウム、銅などといった鉱物資源を中古電池から抽出して、新しい電池に使う。同社は自動車メーカーなどと協力して、鉱物資源の再利用を促進する。
国内外の同社工場ではリサイクルに向けた取り組みが始まっている。現地のリサイクル事業者と連携して生産工程で出た廃材にある鉱物資源の再利用を進めている。今後、欧州地域などで強まると見られる電池のリサイクル規制にも対応する。市中に出回る中古電池の鉱物資源リサイクルにも着手する。
同社製電池を使う日産自動車のEV「リーフ」は2010年末に発売して約10年が経過した。電池交換の目安は10年と言われ、使用済み電池の回収が徐々に始まる。23年までに本格的にリサイクル技術の開発を始める。30年ごろにかけてEVや定置型蓄電池(ESS)の中古電池が急激に増える見込みだ。
日刊工業新聞2022年3月28日