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コマツが木質燃焼灰の肥料化に成功

コマツが木質燃焼灰の肥料化に成功

粟津工場におけるバイオマス燃焼灰の出荷

コマツは粟津工場(石川県小松市)のバイオマスボイラで生じる木質燃焼灰の肥料化に成功した。石川県加賀地域の森林資源の有効利用と産業廃棄物削減の取り組みとして、石川県農林総合研究センター、朝日アグリア(東京都豊島区)と共同研究。燃焼灰にカリウムやリンが含まれていることに着目し、肥料化に向け施肥効果の検証などを進めてきた。

同燃焼灰は4月に朝日アグリア関西工場(滋賀県甲賀市)への納入を始めており、今後粟津工場で発生するほぼ全量を納入予定。朝日アグリア関西工場では同燃焼灰を使った肥料の製造準備を進めており、2023年度の発売を目指す。

粟津工場では木材チップを燃料とする地産地消型バイオマスボイラを運用。年間約6000トンの未利用間伐材活用に貢献する一方、同約20トンの木質燃焼灰の産業廃棄物処理が課題になっていた。

カリウムやリンは輸入が多く、同ボイラなどから発生する木質燃焼灰は国内の肥料代替原料として期待されている。21年度の改正肥料法施行により、安全性が検証された木質燃焼灰は「副産肥料等」に位置付けられた。

日刊工業新聞2022年9月20日

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