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引き抜き強度2-3倍、抜け落ちにくいナットの仕組み

タンゲ製作所が開発
引き抜き強度2-3倍、抜け落ちにくいナットの仕組み

タンゲ製作所の「ハードグリップインサートナット」

タンゲ製作所(茨城県那珂市、田家泰明社長)は、引き抜き強度が従来よりも2―3倍高いインサートナット「ハードグリップインサートナット」を発売した。プレスで加工する表面の凹凸形状を最適化。樹脂に挿入した時の樹脂との接触面積を広げ、樹脂から抜け落ちにくくした。ネジサイズM4、M5、M6に対応するナットを販売し、提供価格は1個当たり8―10円台(消費税抜き)を想定。1年後に月50万個の販売を目指す。

インサートナットはネジやボルトを樹脂製品に締めるための部品で、樹脂に埋め込んで使う。タンゲ製作所のナットは、樹脂に食い込む表面の細かな凹凸形状をプレス加工のみで製作するのが特徴。切削加工で作り出す一般的なインサートナットに比べ量産性などに優れる。

新製品はプレス加工のメリットを生かし、凹凸の溝が深い形状を考案して採用した。引き抜き強度に加え、回転トルクに対する強度も大幅に向上した。

材質には冷間圧延鋼板(SPCC)を採用した。切削加工で作られる真ちゅう製ナットに比べ、有害物質を含まず、安価に提供できる利点もある。自動車や電機など多様な分野での需要を見込む。

日刊工業新聞2022年8月1日

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