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CFRP廃材から産業機械を製造するスゴい再利用技術の仕組み

CFRP廃材から産業機械を製造するスゴい再利用技術の仕組み

新明和が主にCFRPで製造しているボーイング787用主翼スパー

新明和工業は航空機部材に使う炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の廃材から、産業機械を製造する再利用技術を開発した。富士加飾(兵庫県小野市)の炭素繊維回収技術を、新明和の産業機械部品試作に適用した。CFRPは自動車や風力発電などにも需要を拡大しているが、炭素繊維の廃棄処理が難しく課題となっていた。富士加飾と協業し、環境負荷とコストを低減する再生CFRPの用途開発・量産に取り組む。

低速水中ミキサーと縦型低動力撹拌機のプロペラ材料に、再生CFRPを使う試作品を完成した。新明和の航空機事業部の工程で生じるCFRPの廃材を再利用した。

両社は2020年にCFRP再生の共同研究を始めた。成型済みCFRPと炭素繊維に樹脂を含浸した中間材料のプリプレグから、形状や物性がほぼ劣化せず、新品と同じ炭素繊維を回収できるのが特徴。従来は短くなった繊維や綿状でしか取り出せず強度が落ち、実用化の壁だった。

富士加飾は炭素繊維強化複合材料の加工量産設備を備え、材料から製品までリサイクルで一貫量産もできる。

CFRPは軽量・高強度に優れ、環境負荷を低減する部材として急増している。ただ、製造の過程では多くの加工エネルギーが必要で、二酸化炭素(CO2)を多量に排出する。高品質な再生CFRPを少ないエネルギーで実用化し量産できれば、製造の段階を含めてCFRPの環境負荷を改善できる。

新明和は再生CFRPを付加価値の高い用途開発などに生かし、事業化を目指す。再生した炭素繊維を一部に用いた試作部品を、8月2日に東京・有明の東京ビッグサイトで開幕する「下水道展22東京」に出展する。

日刊工業新聞2022年7月29日

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