クボタが商品化へ、コンパクトトラックローダーのハイブリッド化を実証
クボタはコンパクトトラックローダー(CTL)のエンジンハイブリッド化に向けた実証実験を始めた。自社で開発中のハイブリッドディーゼルエンジンを搭載したCTLの動作実証を進め、数年内の商品化を目指す。効率的なエンジン搭載で排気量を抑制し、電動モーター使用により始動時間が短くなり作業性の向上も見込める。クボタが同エンジンの搭載を検討するのは初めてとなる。
搭載を見込むのは95馬力相当のCTL。電動モーターで出力を補うことにより、75馬力以下のディーゼルエンジンでも瞬間的な高出力が可能となる。クボタは「負荷がかかる作業には高い馬力を使うが、それ以外のときは(馬力が)無駄になっていた」(渡辺啓吾建設機械営業第一部・第二部部長)とし、ハイブリッド化により効率的なサイズのエンジン選択を可能にしていく。
同社はハイブリッドディーゼルエンジンの2023年の量産を予定し、社内外の多様な産業機械への供給を目指す。具体的に農業機械や建設機械、発電機や冷凍設備、フォークリフト向けなどのエンジンを生産する計画だ。
農機や建機など産業機械は海外向けを中心に伸びており、関連するエンジンの需要も拡大している。同社は25年までにハイブリッドを含むエンジン全体の生産拡大に向け、堺臨海工場(堺市西区)に280億円、恩加島事業センター(大阪市大正区)に186億円を投じ、生産や研究開発を強化していく。
同社の種田敏行エンジン事業部長は「当社のスケールメリットを生かしたハイブリッドエンジンを提供することで、顧客の脱炭素化の取り組みを支援したい」としている。
日刊工業新聞2022年7月4日