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宿泊・飲食業は回復も…大企業の景況感はマイナスが続いた理由

仕入れ価格上昇響く

財務省と内閣府が発表した4―6月期の法人企業景気予測調査によると、企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)は、大企業全産業でマイナス0・9となり、2四半期連続でマイナスとなった。前回調査の1―3月期はマイナス7・5だった。新型コロナウイルス感染症拡大が落ち着き、宿泊業や飲食業、娯楽業などの客数が回復したものの、自動車関連でウクライナ情勢を受けた仕入れ価格の上昇などが響いた。

4―6月期の大企業BSIのうち、製造業はマイナス9・9、非製造業は3・4だった。中堅企業はマイナス2・1、中小企業はマイナス14・8となった。

大企業、中堅企業は7―9月期にプラスに転じるが、中小企業はマイナスで推移する見通し。BSIは、景況が前期に比べ「上昇」と回答した企業の割合から「下降」と回答した企業の割合を差し引いた値。

2022年度の全産業の設備投資額は前年度比16・0%増と、過去最大を更新した。自動車関連で電動化や脱炭素化、半導体の需要増加に対応した能力増強投資が見込まれる。

22年度の売上高は、全産業は同4・3%増、製造業は同7・6%増で、非製造業は同3・0%増でいずれも増収見込み。経常利益は、全産業は同0・6%減、製造業は同2・4%減、非製造業は同0・2%増を見込む。

雇用の現状判断(6月末)を見ると、大企業全産業は15・8となり、11年9月末以降44四半期連続の「不足気味」超となった。中堅企業は31・1、中小企業は23・8で、いずれも「不足気味」超だった。

日刊工業新聞2022年6月14日

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