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新型コロナは線毛細胞に感染しやすい、京大が解明

新型コロナは線毛細胞に感染しやすい、京大が解明

新型コロナウイルス「オミクロン株」の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の高山和雄講師らは、新型コロナウイルスが感染しやすい気管支オルガノイド(生体外3次元細胞組織)を開発し、新型コロナが線毛細胞に感染しやすいことを明らかにした。新開発した気管支オルガノイドが新型コロナ治療薬の評価や気管支組織再生の研究に役立つことが期待される。

新型コロナは気管支や肺に感染しやすい。そのため高山講師らの研究グループは、効率的に感染する気管支オルガノイドを2種作製した。これらのオルガノイドにより、ウイルスが線毛細胞に感染しやすく、基底細胞にはほとんど感染しないことがわかった。

また感染した線毛細胞はほぼ死滅し、生存した基底細胞は再び線毛細胞を含む気管支上皮細胞に分化。基底細胞の再生能力は、線維芽細胞増殖因子10(FGF10)に依存していたことなどを確認した。

この成果は、30日に国際学術誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」で掲載された。

日刊工業新聞2022年5月31日

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