三菱電機が130億円で新工場、欧州の空調機器需要取り込みへ一手
三菱電機は約130億円を投じて、トルコの家庭用空調機器生産拠点に新工場を建設し、生産能力を増強する。2024年2月の稼働を予定する。同拠点の生産能力に関して、家庭用ルームエアコンは22年度計画比37・5%増の110万台、ヒートポンプ式の暖房機と給湯器は同50%増の30万台に増やす。欧州全域に向けた家庭用空調機器の主力拠点とする方針。気候変動や脱炭素の潮流に伴って拡大する欧州の空調機器需要を取り込む。
16年に設立したトルコの生産子会社「三菱電機エア・コンディショニング・システムズ・マニュファクチャリング・トルコ」(MACT、マニサ県)が、既存工場の近隣に取得した約15万平方メートルの土地に新工場を建てる。新工場稼働時は約300人を新たに雇用し、MACTの従業員は900人以上となる見通し。
既存工場も約20億円を投じて生産能力を増強中。半導体不足の影響で当初計画より約4カ月遅れているが、22年12月から新たにヒートポンプ式暖房機・給湯器の生産を始め、家庭用ルームエアコンの生産も増やす。MACTはすでに欧州向け家庭用ルームエアコンの主力生産拠点。ヒートポンプ式暖房機・給湯器は現在スコットランドの工場で生産しているが、24年以降はMACTが主力拠点となる。
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日刊工業新聞2022年5月30日