ルネサスが900億円で半導体工場を再稼働させる背景事情
ルネサスエレクトロニクスは、2014年10月に閉鎖した甲府工場(山梨県甲斐市)に900億円規模の設備投資を行い、300ミリメートルウエハー対応のパワー半導体生産ラインとして24年に稼働再開させることを目指す。
脱炭素社会の実現に向けて、電気自動車(EV)用をはじめ、高効率なパワー半導体の需要が一段と高まることを見据え、甲府工場に現存する建屋を有効活用して、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの生産能力を増強することにした。
甲府工場で本格的な量産が始まると、ルネサスのパワー半導体の生産能力は現在の2倍になる。経済産業省の半導体戦略を踏まえ、22年中に設備投資する予定。
甲府工場はルネサスの100%子会社であるルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング(茨城県ひたちなか市)の傘下として、150ミリメートルと200ミリメートルウエハー対応の生産ラインを有していた。
日刊工業新聞2022年5月18日