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富士通がインドで共同研究する「先端AI技術」の領域

富士通はインドの研究拠点「FRIPL」(ベンガルール市)において、人工知能(AI)分野で世界的に評価の高いインド工科大学ハイデラバード校やインド理科大学院と、先端AI技術の共同研究を始めた。創薬や新材料開発、経営の意思決定支援といった領域への応用を見込む。また、インド国内でのAI分野における優れた人材を継続的に採用し、2024年度に研究者を50人規模に拡大する。

インド工科大ハイデラバード校とは因果関係を高精度に推定するAI技術について、インド理科大学院とはさまざまな変化に応じて自律的に学習するAI技術に関して、それぞれ研究開発を行う。

現場のデータから新たな発見の手がかりを提示する富士通独自の「発見するAI技術」に用いられる大量データから因果関係を高速に抽出する技術に、ハイデラバード校が得意な幾何学的統計理論の知見を組み合わせることで、これまで扱えなかった複雑なデータ間の因果関係を抽出できる。これにより創薬や新材料開発といった幅広い分野への貢献を目指す。

また、富士通の持つ強化学習などの適応型機械学習に関する知見と、インド理科大学院の先進的な深層学習の技術を融合し、専門家の試行錯誤なしに高精度な推論が可能な深層学習モデルの自動生成手法を研究開発する。大規模システムの自動運用やKPI(重要業績評価指標)を最大化する経営の意思決定支援などに役立てていく方針。

日刊工業新聞2022年4月21日

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