下がり続ける都心ビル賃料の背景
3月の1坪当たりの平均賃料は0.25%下落
三鬼商事(東京都中央区、飯嶋清社長)は、都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)に立地するオフィスビルの3月の平均空室率が前月より0・04ポイント下落し6・37%になったと発表した。下落は2カ月ぶり。新築ビル2棟が空室を残したまま完成した半面、企業の拡張移転などで既存ビルに中小規模の成約がみられた。
地区別では千代田区の空室率が4・93%と最も低く、同0・03ポイント下落した。オフィスを統合する動きなどがあり、成約につながったようだ。一方、港区の空室率は同0・09ポイントの下落ながら8・33%と最も高かった。他地区からの移転に伴う成約があったものの、2021年6月から8%を上回る高い水準にある。
また、1坪(約3・3平方メートル)当たりの平均賃料は同0・25%安い2万366円と20カ月連続で下落した。23年の大量供給を前に、賃料を下げてテナントを引き留めたり、早期に空室を埋めようとする動きが出ている。特に空室が多い港区の落ち込みは大きく、同0・72%安い2万461円となった。
日刊工業新聞2022年4月8日