微弱な光を検出できる「有機光ダイオード」試作、東洋紡が仏政府系研究機関と成功
東洋紡は28日、フランス政府系研究機関のCEAと共同で、一般的なシリコン光ダイオードよりも微弱な光を検出できる有機光ダイオード(OPD)モジュールの試作に成功したと発表した。東洋紡が研究開発を進める「有機光電変換材料」を使用しモジュールにした。IoT(モノのインターネット)デバイスの光センサー用途として、2025年までの実用化を目指す。
光量の強弱を電気信号に変換する光ダイオードは、光センサーの構成要素の一つ。従来製品は、シリコンなどの無機物からなる光電変換材料をガラス板に蒸着して製造するものが主流だ。東洋紡が取り組むOPDは、簡便な方法での製造が可能となり、製造コストや環境負荷低減につながるという。
東洋紡の光電変換材料は、CEAとの検証でガラス基板に加え、汎用的なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基板のどちらに塗布しても性能を発揮することを確認している。実用化すれば、コスト低減や用途拡大が見込まれる。
日刊工業新聞2022年3月29日