電気料金を節約する、国内初「EV充電システム」の仕組み
ダイヘンが開発
ダイヘンは国内初となるエネルギーマネジメント(エネマネ)機能を搭載した電気自動車(EV)対応充電システムの販売を始めた。自律的に充電条件を制御することで、効率的なEVの充電管理・運用を実現。充電インフラの初期投資の抑制や電気料金の節約につなげる。脱炭素化を狙いEVを導入する企業などを対象に、初年度100システムの販売を目指す。
同システムではエネマネを効果的に行う独自の自律分散協調制御技術「シナジーリンク」を受電設備側と充電器側に搭載し、複数の充電器に対して最適な条件でEVへの充電電力を自動調整できる。急速充電器を優先使用し、他の充電器に出力制限をかけて運用したり、各充電器ごとに充電の優先順位をつけたりできる。
今回、エネマネ機能搭載の6キロワット普通充電器(写真)を開発した。この充電器に既存の同社急速充電器を組み合わせて運用できるほか、太陽光発電や蓄電池システムと連携した全体のエネマネも可能で、柔軟に設備・機器の拡張ができる。
エネマネ機能搭載の充電器などの価格はオープン。50キロワットの急速充電器1台と6キロワット普通充電器4台を組み合わせ制御技術を実装したシステムで、500万円程を想定する。
ダイヘンはEV導入が企業で順次進むとみて、EV充電インフラ事業を専門組織も立ち上げ、強化している。同事業の売上高は2023年度に30億円(21年度予想は10億円)を計画する。
日刊工業新聞2022年3月15日