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JX金属が2000億円投資で生産強化する半導体先端素材とは?

JX金属が2000億円投資で生産強化する半導体先端素材とは?

会見する村山JX金属社長(右)と大井川茨城県知事

JX金属は、半導体向けスパッタリングターゲット材など先端素材を製造する主要工場を茨城県ひたちなか市内に新設する。投資総額は約2000億円。今後も旺盛な需要が見込まれる半導体や電子部品関連の先端素材の生産能力を増強する。第5世代通信(5G)関連需要のさらに先を見据えた新規事業も手がける。先端素材分野での過去最大規模の投資を実行し、将来に向けた同社の中核拠点を形成する方針だ。

新工場の立地面積は約24万平方メートル。2022年度下期に着工し、25年度以降に順次稼働する計画。スパッタリングターゲット材のほか、電子部品向けの圧延銅箔や高機能銅合金条の生産を手がける。将来の市場拡大が期待される結晶材料など先端素材関連の新規事業の拠点としても活用する。

新工場では500人以上の雇用を見込む。JX金属にとって国内最大規模の拠点となる見通しで、将来は茨城県内に本社機能の一部移転も検討する。

同社は21年12月、茨城県日立市内で2工場新設を発表するなど、県内での拠点整備を加速している。同社創業の地である日立市周辺には関連事業所も多く、今回のひたちなか市の新工場と一体的に運営して競争力を強化する。地域経済への貢献も目指す。

16日、茨城県庁で会見したJX金属の村山誠一社長は「先端素材の供給を通じ、情報通信の高度化が進むグローバル社会の持続可能な発展に貢献する」と述べ、大井川和彦知事は「大規模な設備投資や雇用の創出により地域経済が発展することを期待している」と語った。

日刊工業新聞2022年3月16日

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