半導体・通信機器も…経産省が示した対ロシア輸出禁止300品目の中身
経済産業省はウクライナに侵攻するロシアやベラルーシへの経済制裁措置として、18日から禁止するロシアへの輸出対象品目約300品目を示した。武器や生物兵器などの軍事関連だけでなく、半導体や通信機器などの民生汎用品も輸出禁止の対象とする。一般消費者向けの品目に関しては輸出を認める方向だが、軍事関係に転売されないかを厳しくチェックする。物資の供給が遅れるなどロシア国民への影響は避けられない状況だ。
兵器の拡散を防ぐための輸出管理の国際的枠組み「国際輸出管理レジーム」の対象品目として、原子力やミサイル、電子計算機など約240品目の輸出を禁止。さらに軍事能力の強化につながる汎用品として、集積回路や通信機器、ディーゼルエンジンなどの31品目の輸出を止める。また半導体製造装置の設計や製造技術、航空管制のためのプログラムなどの26の技術項目も取引を禁止する。ロシアのみに石油精製用の装置と技術の輸出を禁止する。
国防省や航空関連企業、大学などロシアとベラルーシ合わせて51の特定団体に関してはすべての貨物や技術の取引を禁止する。
ロシアとベラルーシ向けの貨物や技術の中で、人道支援の目的などであれば輸出可能となる場合もある。
日刊工業新聞 2022年3月16日