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パナソニックが車載電池再生、中国企業2社と協業する理由

パナソニックが車載電池再生、中国企業2社と協業する理由

パナソニックの車載用リチウムイオン電池(同社提供)

パナソニックは電池リサイクルの広東光華科技、電気自動車(EV)向けバッテリーの交換サービスを手がけるスタートアップ、Aulton(オウルトン)の中国企業2社と提携した。3社は廃棄した電池資源のリサイクルや関連技術の開発、電池の充電制御戦略などで協業する見通し。今後、世界的なEV化加速の中で、使用済みリチウムイオン二次電池(LiB)の処置などが課題となる。3社間でノウハウを持ち寄り対策に生かす。

パナソニックは2社と電池バンク(新エネルギー車用電池の貸し出し)や電池ライフスタイル資産運用管理、電池寿命の延長、電池リユース、材料のリサイクルなどでの協業について、検討開始に向けた覚書で合意した。

テクノロジーでは電池のリユース、リサイクルなどにおいて電池状態の推定や異常検知、寿命の延長といった技術価値を検証。事業では電池の使用から廃棄までのトータルライフサイクルでロスを減らし、資産としての価値や顧客への提供価値を最大化するビジネスモデルを検証する。

広東光華科技とオウルトンは電池のライフサイクル管理のプラットフォーム構築を検討しており、パナソニックもこれに参画する可能性があるという。

オウルトンは上海が拠点。中国の約30都市でEVのバッテリー交換を手がけ、中国の自動車メーカーやソフトバンクグループ子会社などが出資している。

富士経済(東京都中央区)がまとめた自動車用二次電池の世界市場は2035年に20年比8・5倍の26兆4660億円に伸長する見通し。LiBやハイブリッド車(HV)向けニッケル水素電池の需要は堅調で、地域別でも中国が最大で同8・1倍の9兆8641億円と予想されている。

日刊工業新聞2022年3月15日

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