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検出感度500倍、阪大が開発した「フィルム型歪みゲージ」の実力値

検出感度500倍、阪大が開発した「フィルム型歪みゲージ」の実力値

引っ張り試験機(左上)試料の模式図(同下)と素子抵抗の引っ張り歪みによる変化(阪大提供)

大阪大学の千葉大地教授らは、検出感度が500倍になるフィルム型歪みゲージを開発した。フィルムの変形率に対して電気抵抗が1000倍変化する。普及している金属箔歪みゲージは電気抵抗が2倍程度のため500倍の検出感度に相当する。歪みや加速度などの力を高解像度計測するデバイスになる可能性がある。

プラスチックフィルム上に磁性体のコバルト鉄ボロンと絶縁体の酸化マグネシウムを積層して磁気トンネル接合を作製した。この素子を引っ張ると応力で磁化方向が変わり、電気抵抗が変化する。

実験では歪みゲージを引っ張ると素子抵抗が1500オームから500オームに下がった。引っ張り状態を基準とすると0・2%の歪み変化量で、200%の抵抗変化があるため、ゲージ率は1000となる。

引っ張りと緩和を繰り返しても元に戻り、応答が線形になる条件を見つけた。高感度歪みゲージの開発につながる。歪みゲージを集積化し、歪みのマッピングなどを目指す。

日刊工業新聞2022年2月22日

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