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INPEXが脱炭素に1兆円

INPEXは、脱炭素化に向けた長期戦略として、2030年までにネットゼロ5分野(水素、二酸化炭素低減、再生可能エネルギー、カーボンリサイクル、森林)に約1兆円を投じる。経営資源はコア事業の石油、天然ガスと同様に日本、東南アジア、豪州、アブダビ、欧州の5地域に集中させる。足元はガス投資比率を5割から7割に引き上げ、石油開発は早期生産・コスト回収を重視する。

22―24年の中期計画も策定、油価が1バレル=60ドルの場合、最終年度に当期利益1700億円、このほか有利子負債5000億円圧縮、総還元性向40%以上などを目標に掲げた。

同日発表した21年12月期連結決算は原油販売量と油価の高騰で売上高は1兆2443億円(前期比61・4%増)。経常利益は6576億円(同2・6倍)、当期利益が2230億円(前期は1116億円の赤字)となり過去最高となった。

会見した上田隆之社長は、政府が液化天然ガスの欧州融通方針を固めたことに関し「ほぼ長期契約で買い主が決まっており、難しい。かなり限定される」との見方を示した。

日刊工業新聞2022年2月10日

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