販売件数が急伸。「ドローン保険」が好調なワケ
東京海上日動火災保険の「ドローン保険」の販売が好調だ。飛行ロボット(ドローン)保険自体の累計販売件数が主力の自動車保険などと比べ少ないという前提条件があるものの、2021年4―10月は前年同期比約1・7倍に急伸した。22年度は航空法改正により都市部での荷物輸送など商業面でのドローン利活用増加が想定されており、営業活動をより一層推進する構えだ。
東京海上日動火災保険は19年10月に機体の損壊リスクに備える保険と、第三者への損害賠償リスクに対応する保険をセットにして1証券で提供する対応を実施。顧客の利便性を向上した。事故を起こした操縦者が再発防止を目的にドローンスクールなどで訓練を受ける費用を補償対象とするなど、事故防止を支援する観点での保険設計にも特徴がある。
販売好調の背景にはこうした商品面の工夫のほか、物流や農業といった各分野でドローン利活用の広がりを見据えた実証実験が増えていることも理由とみられる。
インプレス総合研究所(東京都千代田区)の調査によると、25年度の国内ドローンビジネス市場は20年度比3・5倍の6468億円に拡大する見通し。ドローンは操縦ミスなどで一般的な財物と比べ事故頻度が高い傾向にある。東京海上日動は保険の普及を推進することで、事故が起きた場合でも経済的補償が行き渡る社会形成につなげたい構えだ。
日刊工業新聞2022年1月7日