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ANAやNECなどが国内初、複数ドローンの効率運航管理を実証

ANAやNECなどが国内初、複数ドローンの効率運航管理を実証

ドローン物流と航空物流を連接。ドローンの社会実装に向け北海道・稚内で産官が協力

BIRD INITIATIVE(東京都中央区、北瀬聖光社長)やANAホールディングス(ANAHD)、NECなどが、複数の飛行ロボット(ドローン)を同じ空域で効率的に運航可能にする運航管理システム(UTM)とユースケース(活用例)の実証実験を北海道稚内市で行った。航空定期便が就航する空港内への物流用ドローン離着陸など日本初となる3点の実証を実施。ドローンを社会実装した省エネルギー社会に向け、有人地帯での目視外飛行の実現につなげる。

実証は、政府が策定した「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠したドローンの運航と、航空定期便が就航する空港内への物流用ドローン離着陸を、国際標準化が進められている分散型のドローン運航管理システム(UTM)を用いて実施した。いずれの取り組みも国内初。

BIRDが代表となり、Digital北海道研究会(北海道ドローン協会)、FRSコーポレーション(札幌市中央区)、HELICAM(ヘリカム、同)、国立情報学研究所、東京海上日動と共同で実施した。

国のガイドラインに則したドローン運航はアインホールディングス(アインHD、札幌市白石区)とANAHD、北海道経産局が行った。患者がオンライン診療を受けた後に、アインHDが医薬品の調剤とオンライン服薬指導を行い、ANAHDがその医薬品をドローンで患者に届けた。

このほか、ANAHDが北海道エアポートの協力を受け、航空定期便が就航する空港で物流用ドローンを飛行、発着させる実証を行った。

また、ドローン運航を担うヘリカムが、稚内漁協や稚内警察署、北海道ドローン協会の協力の下、夜間目視外での密漁監視に向けた技術検証も実施。密漁者を発見するための熱赤外線カメラや拡声スピーカー、逮捕目的のスポットライトとズームカメラをドローンに搭載し、さまざま技術検証を夜間に目視外で行った。

ANAHD、NEC、国立情報学研究所は有人ヘリコプター運航管理システムを活用し、有人機飛行を想定した運航管理サービスによる飛行計画の重複検知と検証を行った。

 

実証は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」の一部として行われた。

日刊工業新聞2021年11月5日

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