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松下工業が開発、200℃に耐えるゴム式ロボットハンドがスゴい!

松下工業が開発、200℃に耐えるゴム式ロボットハンドがスゴい!

エアでゴムが膨らんだ状態の「MKグリップ」(左)

松下工業(静岡県磐田市、松下隆彦社長)は、エアでゴムを膨らませて対象物(ワーク)を把持する方式のロボットハンドで、200度C前後の耐熱性を備えた「MKグリップ」を開発した。同方式の他社製ハンドの耐熱性は100度C程度が一般的で、より高温のワークの搬送作業に耐えられるようにした。耐摩耗性も優れる。丈夫で交換頻度が低く、交換時も消耗するゴムのみの交換で済むため、保守費用を抑えられる。

商社を通じて販売する。本体とゴムのセットで実勢価格2万7000―3万5000円(消費税抜き)前後を見込む。4種類合計で年間6000個の販売を目指す。交換用ゴムのみの販売も行う。

産業用ロボットに装着したハンドの「指」に相当する部分のゴムが膨らむ仕組み。穴が開いたワークの場合、「指」1本を穴部分に差し入れ、膨らませたゴムと穴の内側を密着させて把持する使い方が可能。複数の「指」でワークをつかむように把持することもできる。

「指」1本当たり3キロ―5キログラムまで把持でき、ワークの形状や重量に合わせて使用本数を選択可能。本体は直径19ミリ、22ミリ、25ミリ、30ミリメートルの4種類あり、その他の径も100個から受け付ける。ゴムは軽量物向けの軟らかいものから、重量物向けの硬いものまで8種類ある。

本体の長さと径、ゴムの硬さを変えることで、細いワークや軟らかく壊れやすいワークなど幅広い用途に対応できる。本体やゴムの取り換えが簡単な点も特徴だ。

松下工業は国内自動車メーカーなどを主要取引先とするシェル中子メーカー。ロボットシステムインテグレーター(SIer)事業も手がけ、自社の中子生産でロボットを積極活用する。同生産現場で流れるワークの把持、搬送に耐えられるロボットハンドが必要となり、自社で開発を進めていた。

日刊工業新聞2021年12月17日

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