初の1000億ドルへ、「半導体装置」世界販売額は2022年がピーク?
SEMIが発表した2021年の世界半導体製造装置の販売額は前年比44・7%増の1027億ドル(約11兆6000億円)となり、初の1000億ドルの大台に乗せる。IoT(モノのインターネット)の進展や自動車の電動化、データセンターの増設などを背景に、半導体メーカーの設備投資欲が旺盛。20年から3年連続で過去最高を更新する見通しだ。一方、23年には減少に転じる見込みで、製造装置市場はようやくピークを迎える。
22年は前年比11・2%増の1143億ドルの予想。成長率は21年と比べると鈍化するものの、高水準を維持する。SEMIのサンジェイ・マルホトラゼネラルマネージャーは「22年以降も新しい(半導体の)アプリケーションによって、市場の拡大は継続する」と述べた。懸念材料としては、インフレや新型コロナウイルスの新たな変異株の影響などを挙げた。
分野別では、市場をけん引する前工程のウエハーファブ装置が21年に前年比43・8%増の880億ドルに達する見込み。半導体の高積層化を背景に、後工程の組み立て・パッケージング装置の成長率も著しい。同装置は21年に同81・6%増の69億ドルになる予測だ。
地域別では、20年に初めて首位市場となった中国が、21年も1位となる見込み。中国の半導体メーカーに対しては、米政府が一部製造装置の輸出を規制していると言われているが、影響は軽微という。その他、引き続き台湾、韓国も上位を維持する。
一方、23年の製造装置市場は前年比9億ドル減の1134億ドルと、微減となる見込み。コロナ禍で世の中のデジタル変革(DX)が一気に進んだ影響で急拡大した製造装置市場だが、23年には前年と比べ、ほぼ横ばいになりそうだ。
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日刊工業新聞2021年12月15日