10年間で1兆円投資、三井化学が「ライフ&ヘルス」を収益の柱に
三井化学は、メガネレンズ材料や農薬などのライフ&ヘルスケア・ソリューション事業のコア営業利益を2030年度に900億円(21年度見込み250億円)に引き上げる方針を発表した。収益の第一の柱とする。10年間の成長投資1兆8000億円の6割強を同事業に充てるほか、農薬の精密有機合成技術をヘルスケア製品・サービスの拡充に活用して成長を図る。
25日開いたオンライン会見で、橋本修社長は「(ライフ&ヘルス分野は)モビリティ以上に市場成長の期待が大きい」と語った。
三井化学は22年4月1日付で組織を再編する。従来のヘルスケアと農薬を統合し、ライフ&ヘルス事業とする。M&A(合併・買収)を含め積極投資する考えで、明治グループの農薬事業買収を決めた。モビリティソリューション事業は投資成果を回収して30年度にコア営業利益800億円(同360億円)を、半導体材料などのICTソリューション事業は同700億円(同310億円)をそれぞれ目指す。
石化製品などのベーシック&グリーンマテリアルズ事業は、市況高騰などで21年度のコア営業利益700億円超を見込むが、30年度は特殊要因抜きで500億円とする。フェノールやポリウレタンなどの構造改革で外部提携を検討しており、「交渉は大詰め」(橋本社長)という。
30年度に全社でコア営業利益2500億円(21年度見込み1600億円)、当期利益1400億円(同1030億円)を目指す。
日刊工業新聞2021年11月26日