三井化学が「リファラル採用」積極化。専用アプリでビジネスモデル変革を加速
三井化学は中途採用において、社員による知人や友人の紹介・推薦を通じた人材採用手法「リファラル採用」を積極化する。新たにスマートフォン向けのリファラル採用専用アプリを導入し、社員が簡単に採用活動に参加できるようにした。また2021年度の中途採用人数は前年度に比べ約40人増の80人程度に増やし、ビジネスモデル変革を加速させる。
リファラル採用に参加する社員は専用アプリを通じて求人情報を確認。メールや参加交流型サイト(SNS)を使って知人や友人に求人情報を転送し、簡単に紹介できる。まず特定分野の業務を担う社員に活用してもらう。「業務や必要な人材を知る社員が参加することで、より有効な採用活動ができる」(木下雅幸執行役員人事部長)と期待する。
三井化学はこれまで同アプリを使わずにリファラル採用を行い、リファラル採用比率は10―20%だった。21年度はアプリ活用により同比率を高める。
同社は事業ポートフォリオ変革に向けて、情報通信技術(ICT)やヘルスケア分野などの人材獲得を強化している。19―20年度は経済環境の悪化を懸念し、中途採用を40人程度に抑制していたが、21年度は80人程度に増やす。16―18年度は90人前後だった。
リファラル採用は米国で先行し、近年日本でも急速に利用が広がっている。化学業界では各社がポートフォリオ変革を進める中、人材採用手法も変化していきそうだ。
日刊工業新聞2021年9月16日