キヤノンがCMOSセンサーで新工場の狙い
キヤノンは平塚事業所(神奈川県平塚市)の敷地の一部を活用し、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーの製造棟を新設する。投資額は210億円以上。2023年7月の稼働予定。カメラなど自社製品に搭載するCMOSイメージセンサーの生産能力向上を図るほか、外販向けの需要拡大にも対応する。
新製造棟は、神奈川県の企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」の支援を受け建設する。総投資額や生産能力は明らかにしていない。300ミリメートルウエハーの生産に対応。稼働時には200人の雇用を見込む。新規FA(工場自動化システム)を導入し、エネルギーコスト、環境負荷の低減を目指す。
キヤノンは元々自社のカメラ向けに内製化する目的でCMOSイメージセンサーを生産していたが、数年前に外販を始めた。監視カメラや検査装置などの用途で使用されている。
米ICインサイツが5月に発表した調査によると、CMOSイメージセンサー市場の20―25年の年平均成長率は金額ベースで12・0%。25年に336億ドル(約3兆8300億円)に達する見通し。
分野別でみると、年平均成長率では自動車が33・8%と最も大きく、医療・科学システム、セキュリティーと続く。市場規模では携帯電話が引き続き最大を維持する。
日刊工業新聞2021年11月10日