ニュースイッチ

パワー半導体の設備投資 を1300億円に上積みする三菱電機の思惑

三菱電機は、2021―25年度のパワー半導体事業の設備投資計画を6月公表比30%増の約1300億円に上積みする方針を明らかにした。8インチ、12インチウエハーライン向けともに増額する。昨今の活況な半導体市場を背景に製造装置の長納期化が深刻になっており、一部投資の前倒しで十分な供給能力を確保する。

同社はウエハー製造の前工程で主力の熊本工場(熊本県合志市)と、シャープから買い取った福山工場(広島県福山市)中心に投資を積み増す。25年度までに前工程の生産能力を全体で20年度比約2倍に引き上げる。

特に、福山工場で同社初の12インチウエハーでの量産を24年度に始める。大口径化によりウエハーあたりの取れ数は8インチ比で2倍以上になるという。自動車の電動化を追い風に、エアコンなど白物家電向けの堅調な需要も投資計画の上方修正につながった。後工程の組み立て・検査能力も順次引き上げる。


【関連記事】 BtoB事業で成長を目指す三菱電機、カギとなる戦略とは?
日刊工業新聞2021年11月10日

編集部のおすすめ