溝をジャンプ!MITが開発した「四足歩行ロボット」技術がスゴイ
米マサチューセッツ工科大学(MIT)は四足歩行ロボット向け制御技術を開発した。歩行途中に木道が途切れたり、地面に溝があったりする場合、そうした部分をカメラで検知する。その上でロボットが自律的にジャンプし、凹みなどを飛び越える。
歩行訓練を通して人工知能(AI)が飛び越え方を学習するため、3次元の地形マップをあらかじめ用意する必要がない。学習結果としてロボットが活動する自由度が高まる。将来は不整地や段差のある環境で活動する災害対応・配送ロボットなどに活用できるとみている。
機体にはMITの四足歩行ロボット「ミニチーター」を使用し、二つの制御系を組み込んだ。一つはロボットの搭載カメラから取り込まれた進行方向の深さ映像とロボットの向き、関節の角度からニューラルネットワークがロボットの進む軌道を算出する。それに応じて第2の制御回路がロボットの各関節でのトルクを決め、実際の動作を制御する。
ロボットはシミュレーションと不整地での実地訓練により、ジャンプするタイミングや足さばきを学ぶ。こうした機能により、一つの制御系しか持たない四足歩行ロボットに比べ、溝の部分をうまく横断できたという。
日刊工業新聞2021年11月2日