トラック販売台数が2年連続の前年割れ。部品供給が滞り先行きに悲鳴
トラック業界関係者がまとめた2021年4―9月期の普通トラック(積載量4トン以上の大型と中型トラック)の販売台数は、前年同期比1・7%減の4万560台となった。4―9月期として2年連続で前年実績を下回った。足元では新型コロナウイルス感染症の再拡大で海外からの部品供給が滞る事態が起こっている。工場の稼働が停止に追い込まれるケースもあり、販売の先行きにも不透明感が漂っている。
車種別では、大型は同1・5%減の2万6001台となった。三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスが前年同期比でプラスだった一方、日野自動車、いすゞ自動車はマイナスだった。
中型は同1・9%減の1万4559台だった。いすゞ以外の3社は前年実績割れだった。
メーカー別のシェアを見ると、大型の首位は日野自で、同0・9ポイント減の36・9%だった。中型はいすゞで同1・4ポイント増の45・4%だった。
今夏以降、東南アジアなどでの新型コロナ再拡大による部品調達の遅れが影を落とす。サプライチェーン(供給網)の目詰まりで工場が停止したり、稼働率が落ちたりしている。
この影響などで9月単月の販売台数は前年同月比11・8%減の8465台となり、2カ月ぶりにマイナスに転じた。全社が前年実績を下回った。
業界関係者は「回復のめどは見えていない状況だ」と吐露する。ただ、新型コロナワクチン接種の進捗(しんちょく)状況なども鑑みて、別の関係者は「21年度の販売台数については前年度超えの予測に変更はない」と話す。
日刊工業新聞2021年10月21日