「週末副業」を推進する福岡県糸島市の狙い

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交流の場となっているIQOLの拠点

福岡県西部の糸島市。海や山など自然が豊かで、農畜産物は百貨店で地域名を冠して扱われるなどブランド化が進む。福岡市に接して交通の利便性が高く、週末や行楽シーズンは多くの人を集める。

市は2020年開始の第2期総合戦略で「しごとの創生」をメーンテーマに「仕事が人を呼び、人が仕事を呼ぶ」好循環を目指す。そして国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念に沿った施策や事業が進む。

戦略で設定した四つの基本目標のうち1―3が仕事に関連。民間の取り組みも戦略に盛り込み、「行政と民間に横串が通った」(企画部経営戦略課)展開として実効性を高めている。

基本目標1「担い手の発掘・育成と新たな働き方の実現」の取り組みに含まれるテーマの一つが「週末副業」。週末に福岡都市圏などから来て働いてもらう。多様な人材の確保による企業の成長や、将来の定住につなげることを想定する。辛子めんたいこなど水産加工品のメーカー・やますえ(馬場孝志社長)は、平日は福岡市内で働く数人を採用。副業をする側、受け入れ側の双方にとって良い刺激になっている。

基本目標2は「産業間・産学金官連携などによる地域経済の活性化」。ここで目指す学生起業の推進役として期待されるのが、プラットフォーム「糸島九大オープンラボ(IQOL、イコール)」だ。市内にキャンパスの一部がある九州大学の学生と企業が交流する場を用意する。

基本目標3「市内受発注の促進による市内消費の拡大」では、企業間連携や直売所の活性化を進める。

NTT西日本などとの連携協定(19年6月)

複数の目標につながるのが、市とNTT西日本九州事業本部などとの連携。地域活性化に関する連携協定を19年に結び、コワーキングスペースなどの機能を持つ拠点などでテレワークや観光振興も後押しする。

テレワークやサテライトオフィスは地の利を生かせると市が期待する分野。働く場になりうる空き家の活用なども支援している。

日刊工業新聞2021年9月7日

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