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「太陽フレア」回避に伴う航空機運航計画変更、経済損失はいくら?

「太陽フレア」回避に伴う航空機運航計画変更、経済損失はいくら?

太陽フレアが発生している様子(国立天文台提供)

京都大学総合生存学館SIC有人宇宙学研究センターの山敷庸亮教授は、あいおいニッセイ同和損害保険などと共同で、太陽表面の爆発「太陽フレア」回避に伴う航空機運航計画変更の経済的損失リスクを定量化した。約17年に1度の巨大フレアによる経済損失は毎日運航の長距離便で1年当たり最大約1500ドル(約16万5000円)と計算。十分に安いコストで、航空機搭乗時の被ばく線量を軽減できると証明した。

研究グループは過去2000年間の太陽フレアの頻度と強度を解析した。さらに太陽放射線被ばく警報システム「WASAVIES(ワサビーズ)」で21世紀に発生した五つの太陽フレアについて空路8経路で検証。標準の高度12キロメートルで運航できないが、同9キロメートルで運航可能な場合の燃費増加や、9キロメートルでも運航できず欠航する費用を経済的損失リスクとして計算した。その結果、火山噴火など他の災害と比べて損失が小さかった。今後、航路上の積算被ばく線量を即時推定できれば、経済損失を3分の1程度まで低減できる。また将来、より被ばく線量の多い宇宙旅行でも応用が考えられる。

日刊工業新聞2021年9月6日

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