「パジェロ製造」に幕。販売は在庫がなくなり次第終了…

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パジェロ製造は、生産活動を終了した

三菱自動車は、子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)の生産活動を8月31日に終了した。構造改革の一環で2020年7月に同拠点の閉鎖を発表していた。生産体制の再編などで21年3月期までに固定費を前期比2割削減した。22年3月期に3年ぶりの最終黒字を見込むなど業績は上向きつつある。今後は主力の東南アジア市場に経営資源を集中し、着実な成長につなげる。

パジェロ製造は、海外を中心に高い人気を集めたスポーツ多目的車(SUV)「パジェロ」やミニバン「デリカD5」などを生産してきた。パジェロの販売は在庫がなくなり次第終了し、デリカD5の生産は岡崎製作所(愛知県岡崎市)に移管して12月から製造する。

三菱自は世界規模での拡大戦略が行き詰まり業績が悪化。主力分野に集中するため、23年3月期まで3年間の中期経営計画を20年7月にまとめた。21年3月期は欧州向け新車開発の凍結を決めたほか、世界で約1割の人員を削減するなど固定費の圧縮を進めた。

今後は反転攻勢に向け東南アジアを中心に品ぞろえ、生産、販売体制を強化。タイやインドネシアなど主要4カ国の合計市場シェアを23年3月期までに20年3月期比0・8ポイント増の11・4%に引き上げる計画だ。

国内の生産体制の見直しをめぐっては、ホンダが22年3月期に狭山工場(埼玉県狭山市)の完成車生産ラインを閉鎖し、25年に栃木県真岡市のエンジン部品工場の生産を終了する。日産自動車ではグループ会社のオートワークス京都(京都府宇治市)が6月までに小型トラックなど商用車の生産を終え、救急車などの特別架装を中心に事業を続ける。

日産、三菱自は世界規模の拡大戦略が頓挫し生産縮小を決めた。ただ電動化や自動運転など新技術への投資余力を確保するため、自動車各社にとって事業効率化が共通課題となっている。今後も生産拠点の見直しは、経営の重要テーマとなる。

日刊工業新聞2021年8月31日

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