企業庁が中小支援で「ファンド枠」、研究開発を後押し
中小の研究開発後押し
経済産業省・中小企業庁はモノづくり基盤技術の高度化を補助する「成長型中小企業等研究開発支援事業」について、民間ファンドから出資を受ける研究開発案件を重点的に支援する「ファンド枠」を創設する。中小メーカーの研究開発にファンドが参画するエコシステムの形成を促し、中小の自立的な研究開発活動を後押しする。2022年度予算概算要求で約150億円を計上する。
成長型中小企業等研究開発支援事業はファンド枠と通常枠で構成し、最大3年間支援する。新設するファンド枠は、ファンドなどから一定以上の出資を受けるか、今後受ける予定の研究開発案件が対象になる。ファンド枠の補助上限額は単年度で1億円、3年間で3億円。ファンドから出資を受けた金額の2倍を上限にする。
通常枠は精密加工や表面処理、立体造形など高度なモノづくり基盤技術の高度化やサービスモデルの高度化を目指す案件を支援する。大学や研究機関などと連携して研究に取り組むことなどが条件になる。補助上限額は単年度で4500万円、3年間で9750万円。ファンド枠で申請し、落選した場合は一般枠で再審査する。
今回新たにファンド枠を設けることで自ら出資先を探し、イノベーション創出につながる研究開発を推進する中小の育成につなげたい考え。資金面だけでなく海外展開や販路開拓などファンドが持つ研究開発の事業化に向けた支援ノウハウの活用も促す。
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日刊工業新聞2021年8月26日