「感動」の意味や機能を解明する。ヤマハ発と立命館大の挑戦が面白い!
ヤマハ発動機と立命館大学は感動の意味や機能を解明する共同研究を始めた。スポーツ観戦や芸術鑑賞といった場面での感動を明確化・数値化・可視化・ブランド化し、同社の技術・製品に応用する。
研究期間は2021―23年度の3年間。領域横断型プロジェクトによる産学連携で感動のメカニズムを解明して感性部分を定量化し、社会実装で一般に還元する。
対象者1000人以上の調査を基にした心理研究で「何にどのように感動するか」の概念定義や心理尺度構築、認知変化の把握を行う。生理研究では一過性や短期的な感動体験での心身反応、表情やふるまいの変化を捉えて数値化する。さらに磁気共鳴断層撮影装置(MRI)を用いた脳科学研究で感動体験に基づく脳活動、脳機能変化から感動の大きさを可視化する。
例えば、ヤマハ発は2輪車のカーブ走行時の傾きの楽しさを分かりやすくして新たな乗り物を開発する。研究成果を実体化し、「ブランドの差別化につなげる」(柳弘之会長)としている。(浜松)
日刊工業新聞2021年8月23日