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五輪中のテレワーク実施率は27.5%にとどまる。緊急事態宣言の促進効果は限定的

パーソル総合研究所(東京都港区、渋谷和久社長)が17日発表した東京五輪開催期間中のテレワークの実態に関する調査によると、正社員のテレワーク実施率は全国平均で27・5%だった。2020年12月に公表した前回調査比2・8ポイント増にとどまった。緊急事態宣言下で東京五輪が開催され、なおかつ感染爆発の最中だったにもかかわらず、実施率はほぼ横ばいで、7月12日からの緊急事態宣言によるテレワーク促進の効果は限定的だったことがうかがえる。

調査は20―59歳の男女2万人規模を対象に、7月30日―8月1日にインターネット調査を実施した。

テレワーク実施率を企業規模別でみると、従業員1万人以上の企業が45・5%であるのに対し、10―100人未満の企業では15・2%で、大差がついた。大手企業と中小企業の「テレワーク格差」が縮まらないままで、中小でテレワークの社内制度や情報通信技術(ICT)整備が進んでいないことなどが背景とみられる。

パーソル総研の小林祐児上席主任研究員は今回の調査結果を踏まえ、「企業側にも働き手側にも出社減によって人流を減らそうという意識はあまり見られなかった」と結論付けた。その上で、今後もテレワークは働き方の選択肢として維持されるべきであり、「職場の同調圧力などによってなし崩し的に出社が増えることは望ましくない」と強調。企業はポストコロナを見据え、「今後の自社の働き方の方針を定め、組織内にしっかり周知すべきである」とした。

日刊工業新聞2021年8月18日

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